Rubyにおけるシングルトンパターンの実装方法についてまとめる。

シングルトンパターンとは

シングルトンパターンは、インスタンスが1つしか存在しないことを保証するデザインパターンである。

Singletonモジュールを作成する方法

RubyにはSingletonモジュールが用意されており、これを使うことでシングルトンパターンを実装することができる。

require 'singleton'

class Config
  include Singleton

  attr_accessor :setting

  def initialize
    @setting = "default"
  end
end

config1 = Config.instance
config2 = Config.instance

puts config1 == config2 # true 同じインスタンス

config1.setting = "new"
puts config2.setting # new

newメソッドをprivateになるため、Config.newでインスタンスを生成することができない。そのため、Config.instanceで唯一のインスタンスを取得することができる。

クラスメソッドを使う方法

newをprivateにして、クラスメソッドでインスタンスを管理する方法もある。

class Config
  @instance = nil

  private_class_method :new

  def self.instance
    @instance ||= new # 自己代入演算子はnilまたはfalseの場合のみに代入を行う
  end
end

config1 = Config.instance
config2 = Config.instance

puts config1 == config2 # true

newがprivateであるため、Config.newでインスタンスを生成することができない。そのため、Config.instanceで唯一のインスタンスを取得することができる。

定数を使う方法

クラス変数を使わず、定数を使ってシングルトンパターンを実装する方法もある。

class Config
  INSTANCE = new.freeze # 定数自体の変更を禁止

  private_class_method :new
end

config1 = Config::INSTANCE
config2 = Config::INSTANCE

puts config1 == config2 # => true

定数にnewしたインスタンスを代入し、newメソッドをprivateにすることで、唯一のインスタンスを取得することができる。

まとめ

Rubyにはシングルトンパターンを実装するための方法がいくつかある。

その中でも、Singletonモジュールを使う方法が標準的であり、スレッドセーフな安全な実装であるため推奨される。（たぶん）