集合について

数学

概要

集合の基本についてまとめる。

集合とは

集合論における集合とは、特定条件を満たす要素の集まりのこと。

集合に含まれる要素のことを元という。(当記事内では要素と表記する。)

ソフトウェアエンジニアと集合

ソフトウェアエンジニアにとって集合は、データ構造やアルゴリズムの基礎概念である。配列やマップ、グラフ理論や組み合わせ理論など集合の概念が関係している。

RDBにおいては、集合論が非常に重要な概念になっており、リレーションやタプル、SQLなどは集合そのものとも言える。

cf. bmf-tech.com - 理論から学ぶデータベース実践入門 ~リレーショナルモデルによる効率的なSQL

集合論は論理学にも関連しており、論理の表現として集合が利用されることもある。

また、問題に対する抽象的な思考整理にも役立つため、問題解決のための基礎力にも関係する。

集合はソフトウェアエンジニアリングの基礎概念であり、データ構造やアルゴリズムを最適に取り扱うことができる。また、課題解決のための1要素として役立てることで、課題解決力を養うこともできる。

基礎的な集合

a ∈ A

aは集合Aの要素である。

A = {a, b, c, ...}
a ∈ A

a ∈ A

a ∉ A

aは集合Aの要素ではない。

A = {a, b, , ...}
a ∉ A

a ∉ A

A⊂B

集合Aは集合Bの部分集合である。A=Bも該当する。

A = {1, 2, 3}
B = {1, 2, 3, 4, 5}
A ⊂ B

A⊂B

A⊃B

集合Bは集合Aの部分集合である。B⊂Aに等しい。

A = {1, 2, 3, 4, 5}
B = {2, 3}
A ⊃ B

A⊃B

φ(空集合)

要素を持っていない集合。

φ = {}

φ(空集合)

A∪B(和集合)

集合Aと集合Bを足し合わせた集合。要素は集合Aか集合Bのどちらか、あるいは両方に属している。(≒少なくとも片方の集合に属している。)

A = {1, 2, 3}
B = {3, 4, 5}
A ∪ B = {1, 2, 3, 4, 5}

A∪B(和集合)

A∩B(積集合)

集合Aと集合Bの共通集合。要素は集合Aと集合Bの両方に属している。

A = {1, 2, 3}
B = {3, 4, 5}
A ∩ B = {3}

A∩B(積集合)

A×B(直積集合)

集合Aと集合Bから要素を一つずつ取り出して組にしたもの。

A = {1, 2}
B = {x, y}
A × B = {(1, x), (1, y), (2, x), (2, y)}

A\B(差集合)

集合Aから集合Bに属する要素を取り除いて得られる集合。

A = {1, 2, 3, 4}
B = {3, 4, 5}
A \ B = {1, 2}

A B(差集合)

補集合

記号としては、集合をAとした場合、Aの上にバーがつく。

集合Aが全体集合Uの部分集合であるとき、全体集合Uから集合Aを取り除いて得られる集合。

U = {1, 2, 3, 4, 5}  # 全体集合
A = {1, 2, 3}
A' = {4, 5}

補集合

参考


関連書籍